本堂のお勤めが終わり一同は、当山にお祀りしてある御嶽山に移動。晴天に包まれるなか御嶽山にて10時50分より御法楽。↓(御法楽風景)
御法楽の後に法螺貝の音色が響かせながら火渡り道場に移動。ちょうど11時に一同は道場のなかに入り、法螺貝から始まる前作法を一つ一つ丁寧に終えていく。
法螺先達の法螺が道場内だけでなく、どこまでも遠くに響き渡る。その響きは道場を落ち着かせ、仏様をお迎えするための合図のように鳴り響いた。
法螺先達から次に法斧先達がバトンを受け取り、落ち着かせた道場に斧を振る。その一振りは穢れを祓い、清浄なる大地を作り出し、道場を整えた。
次に法弓先達は、東西南北を結界するために天に矢を放つ。その矢は風に流されることなく飛び立ち、そして中央に鎮座する不動明王を呼び起こす一矢を放つ。最後に鬼門を祓い諸天善神の守護をたまわる。
次に法剣先達は、自身が不動明王の如く倶利伽羅龍王の宿る法剣を振り、道場を十方加持し、更に清浄な道場へと整えた。
次に床堅先達は、大祇師を迎えるためにその大祇師の座る法座を堅める。簡単な言葉で表すならば、 大祇師に満を持してお勤めをしてもらうために各先達が整えた道場内をより完璧に清浄な場所に整えていると言っても過言ではない。
全ての前作法が終わると、承仕が松明を持ち、大祇師が願文( 不動明王をはじめ諸仏諸天善神の御加護を願い、檀信徒の福徳円満・ 被災地の復興祈願などを願う)を高らかに読み上げ、承仕が松明に火を付け護摩へと移っていく。
大祇師が願文で読み上げたことを一心に思いお勤めがはじまる。そのお勤めに負けぬように檀信徒一同と僧侶がお経やご真言を一心にお勤めをする。お勤めをするなかで、承仕が火を付けた護摩檀から一気に火が駆け回り上記のように、龍が眠りから目を覚まし、口を大きく開き雄叫びをしているかのように勢いよく火があがった。その火や煙は我々の祈りに対し応えてくれているかのような勢いのままお勤めを進めていった。
次回予告 火渡り修行(後編)
火渡りの様子を掲載していきます。(顔が分かる写真のため本人の許可を得てから更新いたします。)
上記の前作法などの説明は、誰でもわかるように簡略化したものでございますので、詳しくは当山にてお尋ねください。
写真提供 T様 お写真のご提供ありがとうございます。